リーダークライス39完結!

8月から取り掛かった「リーダークライス39」が昨日完結しました!この夏はこの曲と格闘していました。

大学時代の先生がイタリアものばかりを私に与えて、私はこれらにあまり魅力を感じなくて、無理やり歌わされている感があったのですが、ある時、シューマンの音楽に出会ってからは、ロマン溢れるこの音楽に自己陶酔したい想いが出てきて、このドイツの深い神秘な森に憧れがあったのかもしれません。いつかこの曲集を完結したいと思って居たのですが、歌い手人生もそう長くは続かないだろうし、今しかない!という想いでこの曲に挑戦しました。

全12曲通して30分あまり、リサイタル前半部分に相当するエネルギーと気力が要りました。暗譜に苦労したのはもちろんですが、なによりドイツ語を歌うという事のハンディを思い知りました。

本番の1週間前ワークショップで、ドイツ語がまったく聞き取れない!と口酸っぱく言われて、ドイツ語のドイツ語らしさってなんだろう~と、悶々と自問自答してました。

3日前にやっと言葉を放つポイントが掴めてきて、歌う立ち位置と、方向性が決まり、GPでも試行錯誤を繰り替えして本番に臨みました。前半は、心が弱気になっていて、最後まで通せるか、気持ちは後ろ向きでいたように思います。ピアノにへばりついて、完璧に心は引いていました。

3曲目で、ピアニストに大きなアクシデントが起こって、私は一瞬何事?と思いましたが、まあ平気で歌い通せて、それがかえって気持ちが吹っ切れて、心に余裕が生まれてきたように思います。

先生はよく本番で学べ!っと口癖のように言われますが、今回こそ、自分で、自分の力で調整ができた本番だったと思います。

結局は誰も教えてくれない、自分で道を切り開くしかないのだから・・・。私にとってもかなり修業になった本番でした。

終曲「春の夜」では、孤独に森を彷徨うことから解放された喜びを、私も実感して歓喜の歌を歌いました。舞台を降りた袖でピアニストと喜びのハグをし合いました!

 

今回は、ル・プレザンの弟子が3人来てくれて、それぞれがきっといい勉強をしてくれたと思います。自分で掴まないと何事も成果になってこないから。

先生からも、ピッチもよかったし、ドイツ語も聞こえきたと!と褒められて、方向性は間違ってなかったと安堵しました。

明日は、もうひとつブラームス106があります。

これも好きな曲なので、これから磨きをかけます。