ステージ度胸

先日の日曜日は、吹田のティーンズコンテストの予選がメイシアターホールの大ホールでありました。吹田市が、ヴァイオリン、管楽器、ピアノ、声楽などの10代の若き音楽家を応援する催しで、12月の本選出演をかけて、それぞれ腕を発揮していました。

私のところからは、高校2年の声楽の生徒が一人出演しました。私はコーラスの練習があったので、最後の声楽の部しか聴けませんでしたが、プログラムを見る限り、特にピアノは、リサイタルに出すような大曲ばかりです。声楽はまだまだ声づくりが出来ていない、10代の若者ばかりですから、それぞれ幼さが目につきますが、1000人以上のキャパがあるメインホールのステージで歌ったのですから立派です。

出演したTちゃんは、今年の1月からレッスンに来ている生徒です。

それまでは、他の教室で歌とピアノを習っていたようですが、今年春からは真剣に将来のことを考え、声楽の勉強をしていくと決めて、目下、来年の音大受験の勉強を頑張っています。ソルフェージュも聴音も一からで大変なのですが、夜遅くまで頑張って、少しづつ出来るようになってきています。ただ、Tちゃんは自分であがり症だといい、今迄も本番でうまくできたことがなかったと言うので、それが心配でした。

ステージ度胸があるか・・・、これは大きな問題です。演奏を続けていくにはその度量がないと辛いことです。

初めてTちゃんのステージ姿をみる私はそちらが気がかりでした。舞台に呑まれないで、日頃の自分が出せるか・・・。

演奏は時間芸術です。やり直しができません。その度胸がないと大成しません。

審査員席は1階、私達観客は2階席で、ステージに立つTちゃんは米粒の様。顔の表情などは見えませんが、出てくる姿は堂々としていました。

声はまだ幼さがありますが、透き通った伸びやかな声でした。

「楽しかった~!」

終ってからニコニコとそう言ったので、私も一安心しました。

ステージは緊張するけれど、それを楽しいと思えないとだめですからね。頑張れ!